思いつめた彩葉は…
彩葉は思い詰めてしまい、渋谷のビルの屋上から飛び降りようとする。たまたま下にいた同僚教師の一ノ瀬生琉(Snow Man・向井康二)は、慌てて屋上へ駆け上がった。
4年2組担任の一ノ瀬もまた、悩める教師だ。前任校では、男子児童のけんかを止めようとした際、近くにいた女子児童の体に触れてしまい、大問題に発展した。児童たちは猛反発し、保護者たちからも突き上げられた。現在、担当している学級も崩壊している。
自死を図った彩葉も、それを助けようとした一ノ瀬も、ともに苦悩の日々を送っていた。ここまで教師の受難に正面から切り込んだドラマは、前例がないのではないか。教師の受難を正面から描くと、内容が重くなりすぎるからだろう。保護者を厄介な存在として描くから、反発する視聴者が出てくる恐れもある。
だが、この作品は、タイムスリップ劇というフィクション性の強い設定を土台にしたことで、教師を取り巻く現実的な問題点を描きやすくした。切実な事態をファンタジーで包み込んだ。高等戦術だ。
一ノ瀬が屋上に着いたとき、彩葉はまだ飛び降りていなかった。間に合った。一ノ瀬は彩葉に手を差し伸べようとする。「落ち着いて、動かないで」。彩葉も手を伸ばすが、一ノ瀬がつまずき、彩葉を突き落としてしまった。不器用な男なのだ。
落下した彩葉。まず助からない。ところが次の瞬間、一ノ瀬は彩葉の手をつかんでいた。しかし、その体の中身は、江戸中期に暮らしていたいろは(上白石の二役)に変わっていた。