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葬送や供養の問題は、法律や慣習が大きく関わります。永代供養墓に納骨堂、散骨……と選択肢が増えたぶん、読者からは「わからないことだらけ」という声も。葬送・終活業界の専門家が最新情報を交えてわかりやすくアドバイスします(構成:山田真理)

共同墓地だが墓じまいしたい

Q.
私の住む地域では、「墓じまいをした」という話を耳にしたことがありません。地区の共同墓地なので誰が管理しているかも曖昧ですし、そんな話を切り出したら、暮らしづらくなりそうで……。それでも墓じまいをする場合、よい進め方はありますか。
(66歳・パート)

 

日本では「墓地、埋葬等に関する法律(以下、墓埋法)」により、遺骨を納骨できるのは都道府県などの許可を受けた墓地に限られています。

墓地は大きく分けて、お寺が供養・管理する「寺院墓地」、自治体が運営する「公営墓地」、宗教法人などが経営し、石材店などの民間企業が運営する「民間墓地・霊園」の3種類があります。

寺院墓地は檀家になるのが条件。お寺を支えていく役目を担うため、お布施や各種維持費が必要で、住職による継続的な供養や手厚い管理を受けられる安心感があります。公営墓地は宗教を問わず利用でき、費用も比較的抑えられますが、人気の墓地は抽選となる場合も。民間墓地は宗教やお墓の形式の自由度が高く、選択肢も豊富ですが、費用は高め。郊外に立地する霊園も多いので注意が必要です。

ご質問の共同墓地はこの3つに入らない「みなし墓地」と呼ばれるもの。昭和23年に墓埋法が制定される前に建てられた、個人所有の田畑や敷地、集落の一角や山の奥などのお墓を指します。新しいお墓は建てられませんが、亡くなった人のお骨を新たに納骨することは可能です。

注意したいのは、地元に住む親族や自治会など、地域コミュニティが管理者のケース。管理者が曖昧だと、改葬時に提出する「改葬許可申請書」にサインをもらえない、といったトラブルが起こりがちです。

本当に墓じまいを望まれるなら、管理者を探すことから始めましょう。地元の人に聞いてわからなければ、市区町村の役所にある墓地台帳や過去の届け出から確認する方法もあります。

改葬にあたり、まず確認したいのが墓石の撤去費用。1平米あたり10万〜15万円が相場ですが、地域差もあり、墓石の大きさや数、土地の形状などによっても費用はかなり変わります。

あとは、改葬先の墓所と契約して、その管理人から「受入証明書」を取得。今の墓地がある市区町村の役所で「改葬許可申請書」を遺骨の数だけ取得したら、「受入証明書」とともに窓口へ提出して「改葬許可証」をもらいます。遺骨を取り出す時の閉眼供養は、お付き合いのあるお坊さんや、近隣の寺院に相談すると良いでしょう。

ただ、質問者の方が急いで墓じまいをする必要がないのなら、無理にしなくて良いのでは、と思いますね。共同墓地は地域で守ってくれる永代供養墓のようなもの。ご先祖にとっても、慣れ親しんだ土地が心安らかかもしれません。

なお、自宅の敷地内にあるお墓も「みなし墓地」にあたります。名義人は土地の所有者と同じケースが多いでしょう。