美しい故郷の風景

『ナショナルジオグラフィック』のウェブサイトには、水鏡となった越後平野を走る電車の写真が掲載されていました。
それはまるで一枚の絵画のようでした。

ナショナルジオグラフィック「Best of the World 2027」のウェブサイトでは、新潟県を紹介する写真として同様の構図の写真が採用されました(写真提供:新潟県観光協会)

春には、水が張られた田んぼに空が映り、夏には見渡す限りの緑が広がります。
風が吹けば稲が波のように揺れ、秋にはその景色が一面の黄金色に変わります。
私はこの景色が大好きです。
 
ただ、田んぼが広がっている。
それだけなのに、どうしてこんなにも美しいのだろうと思うのです。
都会では、何かを見に行くためにお金を払うことが多いですが、新潟では車を走らせているだけで、こんな贅沢な景色に出会えます。
 

棚田が広がるのどかな里山「法末」(写真提供:越乃さん)

当たり前に見ていた故郷の景色が、今回こうして世界に認められました。
自分が生まれ育った土地を褒めてもらえるというのは、どこか自分自身を褒めてもらえたような気持ちになります。
別に私が新潟を造ったわけでも、田んぼを耕し続けてきたわけでもありません。
それなのに、妙に誇らしい。
 
棚田の風景も、ぜひ見ていただきたい景色のひとつです。
山の斜面に沿って、幾重にも重なる田んぼ。
自然の地形と、人の手によって守られてきた風景が、見事に調和しています。
美しい景色の裏には、そこで暮らし、田んぼを耕し、守り続けてきた人たちがいます。
ただ美しいだけではない。
そこに積み重ねられた時間まで感じられることが、新潟の風景の魅力なのだと思います。
 
さらに、忘れてはいけないのが日本海に沈む夕日です。
私は、新潟の夕日には特別な美しさがあると思っています。
水平線に向かって、ゆっくりと太陽が沈んでいきます。
空がオレンジ色から茜色に染まる幻想的な風景。
ただそれを眺めているだけで、心が満たされます。
忙しい日常では、夕日が沈むまで立ち止まっていることなど、なかなかありません。
夕日が沈む前に、こちらの体力が沈んでしまいます。
でも、たまには何もしないで、太陽が沈むのを待つ時間があってもいいのではないでしょうか。
 
そして、その日本海の向こうには佐渡があります。
船で海を渡るというだけで、旅は少し特別なものになります。
豊かな自然、歴史、文化、そして島ならではの時間の流れ。
佐渡にも、もっと多くの方に足を運んでいただきたいと思っています。