代々木上原のこの地に最初のモスクができたのは1938年。現在の東京ジャーミイはトルコ共和国宗務庁の援助により2000年に開堂した。 日本最大のこのモスクの礼拝堂には2000人が収容可能だという(撮影:本社写真部)
『婦人公論』​で連載中の藤原しおりさんのエッセイ「藤原しおりの TOKYOで世界一周」。毎回、TOKYOに息づく世界各国のカルチャーや、人々の暮らしを藤原しおりさんがレポートします。第2回は「代々木上原の祈りの場 東京ジャーミイ」です。

第1回●「ネパール文化が栄える街 新大久保のリトル・カトマンズ」 

礼拝堂の入り口では靴を脱ぐ。頭はスカーフで覆い、肌の露出も控えるのがマナー

モスクの美しさを前にすれば

代々木上原駅から歩いて5分、快晴の空の下に突如、煌びやかでダイナミックなモスクが現れた。

「はあー!」

生で見るのが初めてだった私は一瞬で心を奪われ、スマホで撮影する。周囲には私と同じように撮影している人がチラホラ。伝統的なオスマン・トルコ様式で建てられたこのモスクの美しさを前にすれば、誰もがそうしてしまうだろう。

入り口をくぐるとお皿いっぱいのデーツの実とチャイが目に入る。喜びや悲しみ、食料や居場所も、みんなで分かち合うことが大事だとするイスラムの教えに倣い、モスクにはこれらが必ず置かれているそうだ。喉が渇いていたのでありがたい、早速チャイを頂く。まさかの熱々ホットでビックリ!