加齢とストレスが招く膀胱炎にも用心を
さらに、加齢とともに注意したいのが膀胱炎。腸内に常在する細菌が尿道から侵入し、膀胱で増殖して炎症を起こす病気で、頻尿や排尿痛、残尿感などの症状が表れるそう。
「加齢により女性ホルモンの量が減少すると、陰部が乾燥しやすくなったり、尿道口をふさぐ皮膚にハリがなくなったりすることから、膀胱に雑菌が侵入しやすくなります。その多くは排尿時に洗い流されますが、免疫力が低下していると感染することも。
特にコロナ禍の現在は、自粛生活の疲れやストレスから免疫力が低下している人が多く、実際に膀胱炎を患う人が増えています。頻尿に血尿や排尿痛が伴う場合は、膀胱炎の可能性が高いでしょう。抗生物質による治療が必要なので、泌尿器科で治療を受けてください」
こうした尿トラブルは、ストレスになるうえ、QOL(生活の質)を下げる要因に。
「だからこそケアが必須です。頻尿や尿もれの解消には、骨盤底筋を鍛える体操や、膀胱に尿を溜める訓練が効果的。膀胱炎の予防には、デリケートゾーンのケアも大切です」
具体的な方法は次ページから紹介します。また、体を温めたり、体幹を鍛えたりすることも有効だそう。
「体が冷えると、血流が滞って骨盤底筋の働きが悪くなったり、寒冷刺激により膀胱が収縮したりするため、頻尿が悪化しがち。温かい飲み物を飲んだり、入浴を習慣にしたりして、体を冷やさないように努めましょう。
また、おすすめなのが体幹を鍛えるヨガやピラティス。血流が良くなるとともに、骨盤につながる筋力も強化され、膀胱や骨盤底筋にかかる圧を減らすことができます」
女性に起こりやすい尿もれのタイプ
正常時
膀胱に尿が溜まっても骨盤底筋の尿道括約筋が締まり、500〜600mLを溜められる
腹圧性尿失禁
骨盤底筋がゆるみ、咳やくしゃみなどでお腹に力がかかった瞬間にもらしてしまう。出産経験者に多い
切迫性尿失禁
強い尿意に襲われてトイレまで我慢できずにもらしてしまう。原因は過活動膀胱