「自分がこの方のそばにいて、楽しい時間をつくることができたらと、心から思ったのです」(撮影:初沢亜利)
〈本日の『徹子の部屋』に登場!〉木曜ミステリー 『警視庁・捜査一課長2020』で主人公の妻を演じるなど、数多くのテレビドラマや映画、舞台で活躍している床嶋佳子さん。「55歳で初めての結婚」という久々の明るいニュースは大きな話題となりました。結婚から2週間というタイミングで、決断までの道のりや現在の心境を伺います(構成=篠藤ゆり 撮影=初沢亜利)

同世代のお友達からは「勇気をもらった」

9月10日に婚姻届を提出し、13日に結婚を発表したところ、あまりにも反響が大きかったので、びっくり。皆さんから温かい言葉をいただき、胸が熱くなりました。報道で「55歳で医師と結婚」と書いてあるのを読んで、改めて「あぁ、私は55なんだ」と(笑)。同世代のお友達からは、「勇気をもらった」と言っていただけました。

出会ったのは今年の1月。通っているジムで、私のことを心配してくださる知人たちと、夫を心配する人たちと、2つのグループがありまして(笑)。その方たちの間で、2人を引き合わせようという話が持ち上がったようです。

ある日、ジムで知人の奥様と話していたら、その方の旦那様が男性を伴ってプールサイドをこちらに歩いてきました。奥様には、以前から紹介したい人がいると伺っていたので、もしかしてこの人かも、と。次の瞬間、「わぁ、素敵。好きなタイプだわ」とドキドキ。やさしそうで紳士的。ちょっとケンタッキーフライドチキンの生みの親、カーネル・サンダースみたいな雰囲気で、包容力も感じて……。すぐに、近々食事会を設定しようという話になりました。

食事会で、その方は率先して楽しく話し、社交的な方だなという印象でした。でも8年前に奥様を病気で亡くされたというお話をされた時、ふっと涙ぐまれて――この7年間、奥様の死と向き合い、どれだけつらい思いをしてこられたんだろうと、ぐっと胸にきました。

初対面の時、素敵だと思ったのは、人間としての奥行きを感じたからかもしれません。それはもしかしたら、人としての寂しさや、深い悲しみを知っているからではないか。そんな気がしました。そして、自分がこの方のそばにいて、楽しい時間をつくることができたらと、心から思ったのです。