初デートはそれから3日後。ところが「待てよ、どんな顔だったかな」と思い出せなくなりました。好みの顔だったはずだけど、舞い上がっていたがゆえの錯覚だったのかも。もし「えっ、こんな人だったの?」と思ったらどうしようと不安になり――(笑)。レストランに到着して席に座り、顔を見て安心しました。この人だ、と。

その次のデートで、「あなたと結婚したい」と言われました。最初の食事会から1週間後です。内心「えぇ~っ!」という感じでしたが、「あぁ~、そうですか」と間の抜けた返事しかできませんでした。

即答できなかったのは、まだお互いのことを全然知らないから。これまでまったく違う人生を送ってきたし、こちらは我が強い女優です。何も考えずに「はい」と返事をしてしまい、後になって「やっぱり結婚できません」となっては大変です。

まずはお互いを理解するところから始めよう、と。私が「奥様のお墓にご挨拶をしてからおつきあいを始めたい」とお願いし、彼の故郷に一緒に行ったところ、ご家族や親戚の方々がとても温かく迎えてくださいました。

 

「孤独死」を覚悟したことも

ところで、なぜまわりの皆さんが私を心配し、誰かいい人がいたら紹介しようとしてくれたのか。話は少し過去にさかのぼります。

私は6歳でクラシックバレエを始め、27歳までバレエ一筋で生きてきました。その後、断腸の思いでバレエを諦め、女優の道に進んだのです。バレエの話をするだけで涙が止まらなくなるほどの喪失感でした。

ちょうどその頃、好きな方ができて結婚したいと思いましたが、結局成就しなかったのです。その経験がトラウマになり、男性との交際に憶病になってしまい――。それにある程度の年齢になると、素敵だなと思う男性は皆さん、結婚されています。ですからこの先、恋愛も結婚も無理だろうと、半ば諦めていました。