ちょっとした心遣い
気をつけたいのが、コンビニやスーパーにあるレジ袋。これがなかなかのくせ者だ。以前は、リュックサックの中身を小分けするのに使う人が多かった。このレジ袋を触ったときの音が、かなりうるさくて耳障り。夜遅くや早立ちの早朝にシャカシャカやられたらたまらない。山と溪谷社の萩原浩司さんが「シャカシャカ」の音量を測ったところ、なんと77~78デシベル。これは電車が通るガード下にいるときの音量だとか。そこで萩原さんが騒音対策に考えたのが、ナイロン製の小袋やスタッフバッグなどと呼ばれる巾着袋を使うこと。
山小屋では小銭も千円札も数が限られている。お釣りがなくなる心配をさせないよう工夫したい。あらかじめ料金をビニールの小袋に入れて持って行くなど、ちょっとした心遣いが喜ばれる。
僕はいつも五百円玉を2個持っている。ビールや小物を買うときのためだ。缶ビールは350ミリリットル1本で500円が相場。高い? そうは思わない。町の居酒屋で飲む料金とさほど変わらないし、缶ビールはいまだにボッカ(人が荷物を担いで山小屋に運び上げること)に頼っているところが多いからだ。
トイレも忘れてはいけない。山小屋のトイレは宿泊者以外は有料で、1回100円が多く、百円玉を専用の箱に入れる方式だから、山小屋泊まりに百円玉は必需品。
おカネといえば賽銭箱に入れる小銭も必要だ。登山口などには山を祀った神社が多い。登山の安全を祈って、お賽銭をあげて拝む。そのときのためにも僕は小銭を何枚か持っていく。持ち合わせがなかったときにお願い事をしていると、何か睨まれているような気がして、首が縮こまる。