毎日が学校の部活みたいで楽しくて

私の住む那須地域は戦後、職を失った職業軍人や満州からの帰国者が開拓して、豊かな地に育てたところ。そのため開拓者精神というか、外から来て新しいことを始める人を応援してくれる雰囲気があります。私もここでの出会いを通じ、「原っぱプロジェクト」というのを立ち上げたところです。

私は人形劇団を主宰しているのですが、近くに土地を借りて機材を保管する物置を建てようと思ったのがそもそもの始まり。ところが地主さんいわく、「那須で土地を借りるとは、この辺ぜんぶという単位だよ」。それで2000m2も借りることになって。(笑)

賃料は年間で1万円! せっかくだからそこに野外劇場とミニギャラリー、周囲には花畑とブルーベリー菜園を作るという大きな計画です。必要なら電気は敷地まで引いてあげるよ、という人がいるし、パソコンでプロジェクトの活動を動画にして次々アップしてくれる人もいるし、「ギャラリーで作品展を開きたい」「手づくりのお菓子やパンを売るよ」という人もいて、高齢者住宅ってとても人材豊富なんですよ。

私はフリーランスで、何かをする時にはお金を作って出資する主義なので、将来の介護費からなんとか200万円の予算を捻出しました。人形劇の投げ銭で稼いだり、オリジナルグッズをみんなで作って販売したり、ギャラリーの使用料などでコツコツ回収して、10年かければ必ずもとは取れる、と皮算用しています。それより何より、毎日が学校の部活みたいで楽しいんですよ!

ややもすれば弱者として扱われる年齢になってからも、できることはたくさんあります。お金を払ってサービスを受ける「消費者」だけでいるよりも、社会に出て働くことでお金だけでなく、生きていくエネルギーも生まれるのだと思っています。