御室和菓子いと逹「包み餅」

はんなりとした二色の
淡い色目の皮をかさねた中に
優しい味の餡を包む

ういろう生地を焼いた二枚の皮に餡を包んだ菓子。餡には、白餡に白味噌ときな粉を加えたものと、北海道のしゅまり小豆をこし餡にした二種類があります。四色の皮を四季に見立て、ピンクは「桜」、緑は「楓」、オレンジは「紅葉」、紫は「雪中花」。桜と紅葉には白味噌きな粉餡、楓と雪中花には小豆餡が包まれています。

昨年、御室仁和寺の近くにオープンした店で、京都の老舗で十七年修業し独立した店主が、自身の出身地・名古屋の銘菓ういろうを使ったオリジナルの京菓子を考案。京都の文化の中で特に平安朝に惹かれることから、平安装束の「かさね」の色目をイメージし二色の皮で包んだ、手の込んだ菓子。もちもちとした食感もまた魅力です。はんなりとした風情の餅は、年末年始の贈答品にも喜ばれるはず。新しい京都の定番菓子として親しまれそうな予感です。