ストレスをためず何ごともほどほどに

赤江 慢性炎症のお話を伺って、糖分や脂肪分の摂りすぎに気をつけようと思いました。

宮坂 でも、赤江さんのお姿や皮膚のツヤを見る限り、食生活は問題なさそうですね。

赤江 好き嫌いなく、なんでも食べます。母が作ってくれたように、わが家も和食メインの食卓です。

宮坂 和食はとてもいい。野菜をたくさん摂れてバランスがいいし、脂肪分を摂りすぎることもない。

赤江 ただ、仕事の合間に、お菓子をついついつまんで、止まらなくなります。(笑)

宮坂 甘いものは麻薬みたいなもの。疲れたときに糖分が欲しくなるんですよ。

赤江 ほかに生活習慣で気をつけるべきことはありますか。

宮坂 免疫のアクセルとブレーキをバランスよく高めるには、「中庸」が大切。頑張りすぎず、働きすぎず、食べすぎず、寝すぎず……何ごともほどほどがいいのです。そこで私が参考にしているのが儒学者・貝原益軒の「養生訓」です。

赤江 江戸時代のですか?

宮坂 そう! 300年前に書かれた、健康に長生きするための指南書ですが、現代にも役立つアドバイスが盛り込まれています。冒頭から「養生の術はず心気を養うべし」と、意訳すれば「ストレスをためない」ことが何より大事だと説いている。ストレスは免疫細胞の機能を低下させる大敵です。赤江さんのストレス解消法は何ですか?

赤江 温泉巡りです。出産後はあまり行けなくなりましたが、以前はほぼ毎週末、各地の温泉地に行き、山歩きしたあと湯に浸かってリラックス。1週間の疲れをとり、「また月曜日からがんばろう」と。

宮坂 そうして生活のリズムを整えていたのですね。温泉は体を温めて血流を促進しますし、良いことずくめ。免疫細胞の白血球は血流とリンパ液に乗って体中をパトロールしているので、血液循環をよくすることは免疫の働きを高める一番の方法です。何より「好きなことを楽しんでいる」という気持ちが免疫力を上げます。