せっかくの手料理が栄養をムダにしていた?

たとえば、貧血は「鉄分の不足」が原因で起こるものですが、鉄分だけを摂っても貧血は改善しません。鉄分を機能させるためには、葉酸やビタミンC、ビタミンB12、さらにはタンパク質の助けが必要です。

骨粗しょう症予防の場合も同じ。骨を強くするため、とカルシウムばかり摂取することなく、ビタミンDやビタミンK、コラーゲン、マグネシウムなどの栄養素も同時に摂らないとカルシウムは満足に働かないのです。

栄養素が効果を発揮して体内で働くためには、栄養素の足し算が必須で、組み合わせ次第では、その効果は掛け算にもなります。ただ、栄養素の組み合わせ以前に、食材がもつ栄養素を間違った調理法や食べ方でムダにしてしまっている可能性も。

一部ですがNG行動を紹介しますので、参考にしてください。免疫が活発に働く体を目指すなら、栄養を損なわないように調理し、もっとも効果的に体内で働くような食べ方を意識することが大切なのです。

【STOP】そのNG行動!

●ごぼうのアクは抜かない

アクといわれているのは、クロロゲン酸というポリフェノール。水につけてアク抜きすると、栄養素の半分が流れ出てしまいます
●野菜や果物の皮は剥かない

中心部や皮付近にもっとも栄養が集まっているので、無理のない範囲で皮ごと食べましょう。キウイも、皮の毛を洗い落とせば美味しいですよ
●果物は寝る前に食べない

果物に含まれるトリプトファンが脳内で作るセロトニンは、日中にメラトニンへと変化し、良質な睡眠のもとになるので、果物は朝食べましょう。夜は脂肪に変わってしまいます
●魚の缶詰の汁は捨てない

新鮮な状態で加工され、骨ごと入っているサバ缶やイワシ缶には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富。魚を煮た汁にも栄養素が含まれているので、捨てずに食べましょう