緊急事態宣言が延長され、ステイ・ホームを強いられる毎日。「人と雑談がしたい」「大きな声で話しながら食事がしたい」というストレスに苛まれる人も多いはず。作家・エッセイストの酒井順子さんは意外にもこの生活が性に合ったようで……。
むしろホッとする感じ
コロナ時代が始まって、まもなく一年。ステイホームが推奨される中で、そのことを苦痛に感じる人と、そうでもないがいるようです。
おそらく前者は、心身ともに動きを止めずにはいられない、活発なタイプ。後者はその反対のタイプということになりましょう。
そして自分はと見てみると、どうやら後者のようなのです。東京都民は、
「ステイホーム!」
と百合子(小池です)に号令をかけられたわけですが、私の場合はもともとが居職ですので、号令後も状況が大きく変化したわけではありません。在宅勤務となった会社員の友人達のように、
「人と雑談がしたい」
「オンとオフの切り替えができなくてつらい」
といった感覚も、ありませんでした。
会食や打ち合わせ、出張などはどんどん中止となりましたが、それも嫌ではなく、むしろホッとする感じ。空いた時間は、「愛の不時着」など視聴したり、ハーブの鉢植えを買ってみたりと、「コロナあるある」にまんまとはまっていったのです。