帰省した実家でも不思議な現象が
介護中、自由に実家に行けなかった私は、ひとりで四国に帰省することにした。姑が亡くなったことを両親に報告し、そして信じてくれないだろうけれど、と前置きをしてから、不思議な拍手の音のことも話した。両親は否定はしなかったけれど、やはり納得するはずもない。へぇ、と返事をしただけであった。
久しぶりに実家で食事をし、親子3人で枕を並べた。電気を消し、両親も寝たようだから、私も寝なくてはと思ったその時……、窓の外から音がする。
「パン、パン」
「そんな、バカな……」
ちょっと待って、寝ぼけてないよね。夢ではないことを確認しようと布団の上にきちんと座ったその時、1メートルほどのまん丸な白い光が目の前でピカーッと一瞬光って、消えた。
「おばあちゃん!」
姑が来たのだと私は思った。
自宅に戻ると、夫が待っていたかのように私に言った。
「お前が帰省している間、一度も音がしなかったんだよ。ひょっとしたら、『私も行きたい』と言っていたおふくろがお前の実家について行ったんじゃないかって冗談を言っていたんだ」
夫は笑いながら報告してきた。