イラスト:毛利みき
家族は、さまざまな価値観の集合体。自分では「エコだ」「計画的だ」と思っていても、噛み合わない相手とは平行線が続く。倹約家の佐々木さん(仮名)は、浪費家の義母の振る舞いが理解できず……(「読者体験手記」より)

金は入っただけすべて使い切る

結婚してマンションを購入した私は、ローンの繰り上げ返済を目標にせざるをえず、自然と倹約家になった。

洋服は季節を問わず着られる綿やポリエステルなどの素材を、また、アイロンをかける必要がないデザインを選ぶことでコストカット。こんなふうに買い物の際はよくよく吟味するようになったので、家の中にモノは増えないし、不要なモノは使い倒してから捨てるため、結果的にスッキリと快適に暮らしている。

しかし、夫の母は、「来月、年金が入ってくるから」が口癖で、お金は入っただけすべて使い切るという人。そのうえモノが捨てられないため、家はゴミ屋敷さながらだ。倹約家で必要なモノだけで十分派の私と、浪費家で溜め込み派の義母は正反対な性格であるためウマが合うわけもなく、なるべくかかわりをもたないようにしてきた。

ところが7年前、義父が末期がんになったのをきっかけに、頻繁に会わなければいけなくなってしまったのだ。それはそれは驚きの連続で……。