「お風呂も小学校の高学年まで一緒に入っていて、入浴後には下着や服を着てはいけないというルールもありました。ずっと裸でいさせられ、遊びのふりをして触ってくるのですが、母親が止めてくれたことはほとんどありませんでした」

ただ当時幼かった彼女には、それらの行為の性的な意味はわからなかった。

 

リストカットが止まらなくなり…

同じ時期、ももこさんは継父による母親へのDVも頻繁に目撃している。

「継父はお酒を飲むと母親に暴力や暴言を浴びせるのが常だったので、母親が明日にも死んでしまうのではないかといつも心配していました。当時の記憶はかなり抜け落ちているのですが、小学校に入るか入らないかの頃に見た、母親が裸にされて、髪の毛を掴まれて引きずられるシーンはずっと記憶に残っています。その後も、何度も夢で見ました」

小学6年生のときに、虐待に気づいた祖父母に引き取られたことで、性虐待はようやく終わる。その後、ももこさんは寮のある中学校に進学して祖父母の家を離れたが、15歳の頃から自傷行為が始まった。

17歳のときには、継父と別れた母親が新しい恋人と失踪したことを知るとリストカットが止まらなくなり、寮から出されてしまう。しかし、学校の先生が彼女を精神科につないでくれた。

寮を出てからは住まいを転々とし、20代半ばまで過量服薬(薬を大量に飲むこと)や自殺未遂を繰り返してきたが、その後は比較的安定したという。職場で知り合った男性と結婚もしている。