高血圧でも、腹いっぱい食べたい
それ以来、極端に塩分を嫌うように。油なんて使わないし、定番はコーンフレークにヨーグルトだが、ヨーグルトの塩分までもが気になる。甘いものがほしければ味つけなしの茹でかぼちゃ。刺身なら、ネタにちょこんとわさびを載せるだけ。野菜も魚も、素材の味を楽しんだ。
夜には、干ししいたけの戻し汁を飲む。2時間水に浸した汁は、とんでもない悪臭を放つが、命には代えられないので鼻をつまんで頑張った。そんな食生活で数ヵ月がすぎると、すっかり血圧が安定した。
そうなると、やはり美味しいものが食べたくなるのが食いしん坊の性。「炭水化物の日」にドカ食いし、太って焦ると「リンゴだけ」「パイナップルだけ」で償う。肉が食べたくなれば、最近流行の「原始人食ダイエット」だ。
ダイエット効果のあるココナッツオイルで肉を炒め、味をつけずにわさびやからし、たまに梅干しを盛るのだが、これが絶品で、一人でうなってみたりする。
こうしてみると、自分はかなりの偏食だと気づかされる。一汁三菜の昔ながらの和食など、私には無理。どうしても「腹いっぱい」になりたい。でも高血圧になり、健康の大切さも身に染みている。腹六分目の健康的な食生活を目指しながらも、まだまだ私のダイエット迷走ライフは続くのだ。
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