同居してお金を貯めるつもりが

まったく貯金がなかったので、夫の両親と同居することを選んだ。子どもが生まれたら、育児を手伝ってもらえるかもしれない。家賃を払わずに済むし、その間にお金を貯めて、いずれは広いアパートを借りて出て行けばいい。そう楽観的に考えていたのだ。

ところが実際に同居がはじまると、私の読みが甘かったことを痛感させられる。義母は毎月、食費と光熱費を合わせて6万円を払えと言い出した。しかも不動産会社の手伝いで毎晩帰宅が遅い義母に代わって、私が家のことを全部しなければならない。

子どもが生まれても、状況が変わることはなかった。たまの休みで義母が家にいるときは少し手伝ってもらえるかもしれないと期待していたが、テレビを見ているだけ。「息子の世話で買いものに行けないので、夕食の材料を買いにスーパーへ行ってほしい」とお願いすると、「私はお手伝いさんじゃない」と怒られた。

広いアパートに引っ越す資金ができるまでと耐える日々を送るうちに、とうとう我慢の限界に達する。義母に「油を買ってきます」と告げ、息子を抱えて家を出て、県外にある自分の実家まで4時間かけて車を走らせたのだ。