1:1歳から53年連れ添っているお猿の人形「バビー」/2:リサイクルショップで見つけたミニミニフォーク/3:庭になるサワーポメロは半分に切って庭に遊びに来る鳥にあげることも

些細な発見の一つひとつを面白がって

うちの母は、「今はお母さんの時間」というのを決めていて、本を読んでいるとき、私たちは母に近づいてはいけませんでした。「食事の片づけを終えたあとの1時間は、みんな、私のこと放っておいて」と宣言してもいいですし。

ごはん作りが負担なら、何が面倒なのかチェックしてみる。献立を考えること、買い物、実際の調理、片づけ。そのうちのひとつでも家族に分担してもらうのはどうでしょう。「毎日、何を作ろうか考えるのにウンザリ」ならば、メニューは家族に考えてもらう。それも自分が心地よくあるための知恵と工夫です。

うちは夫がゴルフの打ちっぱなしに行った帰りに、地元野菜の販売所で買い物をしてきてもらいます。ゼロから献立を考えなくていいので、その分ストレスがなく、「この材料なら、何ができるかな」と考えるのも楽しい。

この場所に移り住んで半年。空の色が東京と違うとか、風景や人々の暮らしなど、些細な発見の一つひとつを面白がっています。そうそう、このあいだは鹿屋のリサイクルショップでプラスチックの柄のついたミニミニフォークを手に入れました。昔の家によくあった、懐かしいフォーク。和菓子も果物も食べられ、毎日使っています。こういうものを見つけただけでも幸せな気分になれるんですね。

別に住まいを変えなくても、当たり前と思っているいつもの暮らしを「自分にとって心地よいって何?」「楽しいことを探そう」という目線で見てみる。お金をかけずとも、豊かな気持ちにさせてくれるものに、きっとたくさん出会えるはずです。