大相撲夏場所が開幕しました。昨年もこの時期は緊急事態宣言が発令されていて、夏場所はあえなく中止となったわけですが、今年は初日から3日目までは無観客で行われることになりました。横綱白鵬は右膝の手術をしてリハビリ中のため休場。一方、春場所で3回目の優勝を果たした照ノ富士が21場所ぶりに大関に復帰し、4人となった大関陣が横綱不在の場所を盛り上げることができるかどうかーー。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が春場所に続き、今場所もテレビ観戦記を綴ります
※「しろぼしマーサ」誕生のきっかけとなった読者手記「初代若乃花に魅せられ相撲ファン歴60年。来世こそ男に生まれ変わって大横綱になりたい」はこちら
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無観客で始まった夏場所
大相撲夏場所が東京・両国国技館で静かに始まった。
新型コロナウイルス感染予防の緊急事態宣言を受けて、3日目までは無観客である。
どれくらい静かだったかというと、NHKテレビの相撲中継で正面解説者の北の富士さんの携帯電話が鳴る音まで聞こえてしまったほどである。
頑張ったのは、新序出世披露の若々しい力士たち。土俵の上に正面を向いて並び、一人ひとり四股名を呼ばれて立つのだが、31人いるので時間がかかり、蹲踞(そんきょ)の姿勢で待つから、ふらついたり、苦しそうな顔を見せながらも耐えていた。将来の横綱が、この人たちから生まれるのかなあ、と思うと温かな気持ちになった。
そして、やっと見せてくれた。照ノ富士が21場所ぶりに大関に復帰したことで、朝乃山、貴景勝、正代の3大関は覚醒したように初日は揃って勝った。先場所の期待に応えてくれない3大関は消えた。2日目からこの覚醒が夢と終わらないように祈る。
白鵬は6場所連続休場だから、大関がカッコよく決めて、横綱への4人の争いを見せてもらわないと困る。「大関に裏切られた」とすねて、自宅で深酒をして荒れる相撲ファンが出るぞ。