さらに、食事に関しては、週に1回、昼夜の「宅食サービス」を契約中。これで週に3日は食事の心配から解放されます。それ以外の日は娘と夕食をとることもあるので、栄養状態は格段に改善されました。

そして、予想外に大変になったのがゴミ出しです。地区のルール通りに分別して、時間までに集積場まで持っていくのは、高齢者にはハードルが高い。地域の方の親切心に頼ってばかりもいられません。結局、ゴミ出しは娘に全権委任しました。

 

「家族減少社会」が教えてくれたこと

いま日本の高齢化率はぶっちぎりの世界1位。きょうだい親戚がたくさんいた時代は去り、一人っ子同士の夫婦の場合、2人で4人の親を支えなければならない。この高齢化が進んだ「家族減少社会」が教えてくれたのは、「困った時は、有償でアカの他人の手を借りてもいい」という、新しい助け合いの精神だと思います。

私のささやかな貯蓄は、そのためのものでもあるのです。依頼する側としては、自宅の冷蔵庫と心をオープンにする覚悟が必要で、これは「介護され上手」になるための第一歩ですね。

「シルバー人材センター」に興味がある方は、お住まいの市区町村に問い合わせを。また介護に関しては地元の「地域包括支援センター」に相談するとよいでしょう。民間や市民団体の生活支援サービスも増えています。

しんどいなと思ったら、ご自身の判断で「家事定年」を決めるとよいと思います。もし他人の力を頼りたい場合は、上手に取り入れて。老いの暮らしを安全で充実したものにしていただければと思います。