女性ホルモンの減少が、認知症のリスクを高める要因にも

「また、アミロイドβの分解には、血糖値を安定させるホルモンのインスリンが大きく関わっています。ですから、糖尿病など血糖値が高い人は、インスリンが血糖値を下げるために使われてしまうため、アミロイドβが溜まりやすくなるのです」

さらに、女性ホルモンの減少も認知症のリスクを高める要因になるそう。

「女性ホルモンのエストロゲンは、脳血管を拡張する作用があり、記憶改善に働くホルモンです。そのエストロゲンが減少すると、アミロイドβの蓄積が促進されることがわかっています」

とはいえ、すぐさま認知症を発症するというわけではありません。

「認知症は65歳ごろから発症率が上がります。これはアミロイドβが10~20年という長い時間をかけてゆっくりと溜まっていくから。認知症のリスクを回避するためにも、40~50代からアミロイドβを溜めない生活習慣を心がけましょう」

認知症で表れる症状チェックリスト

3つ以上該当する場合は、一度、専門医に相談しましょう

□ もの忘れが増えたと自覚するようになった
□ 同じ話を何度も繰り返す、と家族から指摘される
□ ものが片付けられず、以前より部屋が散らかっている
□ 服装が適当になり、きちんと着こなすことができなくなった
□ 長い話を聞いているうちに、途中で理解できなくなる
□ あまり外出せず、人と会話をすることが減った
□ 些細なことですぐに怒るようになった