自活したかった10代の頃
清水 でも、マネてみたくなるのはわかる。自分でやってて最高に気持ちいいんだもん(笑)。杉本さんは、スカウトで芸能界入りしたんですよね。
杉本 そうです。地元の京都でモデルをやってたんですけど、その仕事先で、東京のプロダクションの女性マネージャーに「一度遊びにおいで」って誘われて。もともと芸能界に対する憧れがあったわけでは、全然ないんですよ。
武井 そうなんですか。
杉本 京都の人間なので、京都を離れて東京に行くというのはありえない選択だった。本当に遊びに行くつもりで出かけたら、写真バシバシ撮られて、「これって、もしかしてスカウト?」って。
清水 そこで気づいたんだ。
杉本 その気はなかったから、帰ってから電話がかかってきても、ずっと逃げ回ってたんですよ。そのうちに代表の方とかが京都にいらっしゃって、いろいろ話をしてくれて。それで、条件を出したんです。「京都から通いでやらせてほしい」とか「モデルの仕事だけにしてほしい」とか「最低保証金額はこれだけ」とか。
武井 それいくつの時ですか?
杉本 プロダクションに入ることになったのは、17ですね。
武井 すごいな、10代でギャラの交渉までやるなんて。
杉本 家庭が複雑だったこともあって、とにかく自活したかった。だからモデルの仕事も、高校を中退してやってたんです。
清水 で、本当に京都から東京に通ったの?
杉本 はい、4年くらいは新幹線で。しかも仕事もけっこう選んでましたね。『スケバン刑事』のゲストで、悪者に捕らえられる役の話が来た時も、「絶対に嫌だ」って。