「僕は自分からあれをやりたい、これをやりたいというのはないわけです。今までも」(撮影:冨永智子/『婦人公論』2007年6月7日号より)

『古畑任三郎』は一冊の脚本から

1972年には主演した時代劇『眠狂四郎』が大ヒットする。『乾いて候』(1984)では、田村三兄弟で共演。『うちの子にかぎって…』(1984)、『パパはニュースキャスター』(1987)などのコメディタッチのドラマにも挑戦、役柄の幅を広げていった。

1994年放送開始の刑事ドラマ『古畑任三郎』が話題になり、シリーズ化。10年以上にわたって演じるハマり役となった。

「僕は自分からあれをやりたい、これをやりたいというのはないわけです。今までも。プロデューサーのほうから僕にやらせたら面白いだろうという企画に気づいてくれて、その中から、『これなら』と思うものを受けてきた。(略)『古畑任三郎』にしても、一冊だけ三谷幸喜さんの脚本ができていて、読ませてもらったらすごく面白かったんです。それですぐに決めました」(同)

2009年には、『そうか、もう君はいないのか』でモンテカルロ・テレビ祭 最優秀男優賞を受賞。その後はスペシャルドラマを中心に出演、2018年のスペシャルドラマ「眠狂四郎 The Final」が最後のドラマとなった。