本連載がまとまった青木さやかさんの著書『母』

体重が半分になる謎のドリンクにも手を出し…

幼少期に、「地黒で痩せすぎ」だったことを男子に揶揄されて傷ついていたわたしは、
やや肌白70キロオーバーの自分も嫌いではないのだが、時折痩せたくなった。

特に、恋をするとその気持ちは顕著になった。痩せたら恋が実るわけではないが、せめてゆるゆるの部屋着みたいな服でないスタイルで登場したい。

恋することをきっかけに、数々のダイエットに手を出す人生が始まった。思い出せるだけでもこれだけある。

○グレープフルーツをひたすら食べる
○ゆで卵をひたすら食べる
○炭酸水をひたすら飲む
○りんごだけを食べる
○黒酢を飲む
○飲むと体重が半分になるという中国で買った謎のドリンク
○炭水化物を抜く
○炭水化物ばかり食べる
○空腹を満腹にするというようなサプリ
○食べる順番を気をつける
○お腹に巻いてブルブルと電気を通すもの
○痩せるツボ押し
○ダイエットスリッパ
○サウナスーツ

グレープフルーツはむくのが大変ですぐやめた。
ゆで卵は痩せたが喉が渇いて、3キロ減ったところで卵に飽きた。
謎のドリンクはお腹を壊しただけだった。
痩せるツボ押しは、どこかわからないまま闇雲に押していた。
ダイエットスリッパは、片方がどこかへ行ってしまった。
サウナスーツは暑すぎて、汗をかく前に断念。

どれもこれも、思い出深い。
72キロをピークに、減ったり増えたりして今に至る。