私は《結婚しなかった》のではなく、別姓を通したいがために《婚姻届を出せなかった》のだ。選択的夫婦別姓は、結婚する者すべてが夫婦別姓にしなくてはならないのではなく、結婚の際に同姓か別姓かを選べるようにするだけである。それによって日本の国際的評価も高まるのに、なぜなかなか法制化できないのか。私が死ぬまでに実現してもらいたいものだ。

私はAとの別離による精神的苦痛から解放されるまで10年ほどの年月を要したが、今は新しいパートナーであるBと半同居して第二の人生を楽しんでいる。私はBとも婚姻届を出していない。彼から求婚されたが、あいまいな返事しかしていない。彼は資産家ではないから相続する財産もないし、お互い子どももいる。今からBとの子どもが生まれるわけでもなく、結婚する理由が見当たらない。

結婚すれば、今よりもっと幸せになれるのだろうか。Bの名字に自分の名前をくっつけてみる。知らない人みたいだ。やっぱり今までの自分ではなくなる気がする。でもBの姓で呼ばれたら、今よりも精神的な安定を得られるのかもしれない。

人生の終盤に結婚・改姓を体験してみたい気がしないでもないが、Bと半同居して10年の年月が経ってしまった。こうなれば死ぬまで別姓を通して、亡くなったら父母の墓にでも葬ってもらおうかなと思っている。

<電話口の筆者>

「Aはもともと仕事が長続きしない人でした。不倫で会社を辞めさせられ、事業を立ち上げた後も、実際はほとんど私がその事業のお金をやりくりしていたんです」と話してくれた末松さん。別れを決断するとき、子どもたちが「お母さんの好きにしたらええよ」と味方してくれ、大きな心の救いになったのだとか。

現在は、Bさんと週末の数日間だけ共に過ごす日々。「今はこの生活に大満足です。一度きりの人生ですから、これからも理想の暮らしについて考えていきたいと思います」。

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