人の愛と植物の生命力

最近、ネイチャーガイドの方から聞いた言葉で印象的だったのは、「街なかのアスファルトの環境は、火山が噴火した跡の荒れ地に近い」ということ。そうした場所にはまず過酷な環境でも生きられる丈夫なコケなどが生え、それが枯れたものが土壌になって次の植物が育つのだそうです。そういう視点で見ると、「自然がない」と言われる都会でも、自然のサイクルは営々と続いていることに気づかされます。

また鉢や庭先からはみ出して成長を続ける植物には、与えられた環境のみに収まらない逞しさ、したたかさを感じて、こちらも元気になれるのです。

すき間からはみだす植物や、敷地をはみだす園芸は、見る人によっては計画外で望ましくないかもしれない光景。でもそこには育てている人の愛があるし、植物それぞれの生命力があります。誰かが決めた価値観ではなく、自分だけの宝物を見つける楽しさを、皆さんも、おなじみの散歩道で探してみてはいかがでしょうか。