体臭や口臭に対処してもらいたいけれど、言い方が難しい。指摘するのをためらう人も多いでしょう。心理カウンセラーが言いにくいことを上手に伝えるコツを伝授します 

言いたいことを伝えられないのはなぜか

夫をはじめ、家族のニオイで悩む人の話をよくお聞きしますが、「傷つけそうで言えない」「逆ギレされそうで……」「言っているのに伝わらないから諦めた」という方が多いようです。「きちんと伝えます」という人はごく少数。つまり、ほとんどの家庭ではニオイの問題を諦めてしまっているということです。

これには原因が2つあります。ひとつは「自分の気持ちを伝えることに不慣れである」こと。もうひとつは「言い方が悪く、正しく伝わっていない」ことです。

では、「自分の気持ちを伝えられない」ケースを見ていきましょう。

たとえば、喫茶店でブレンドコーヒーを頼んだのに、アメリカンコーヒーが出てきたとします。このとき、「いちいち伝えるのが面倒」「うるさい人だと思われたくない」という心理が働いて、「まあ同じコーヒーだし、アメリカンでもいいか」と、間違っていることを相手に伝えずに済ませてしまう。このタイプの人は、普段から自分の意見や気持ちを口に出さない癖がついています。おそらく、ニオイの指摘に限らず、ほかのこともはっきり口にするのが苦手なはずです。

実は、自分の気持ちを口に出して言う習慣がないと、言うべきときにきちんと言うことができません。言いにくいことを言えるようになるには、トレーニングが必要なのです。私がおすすめしているのは次の4つのステップ。

 【1】言いやすいことを言いやすい人に言う
 【2】言いやすい人に言いにくいことを言う
 【3】言いにくい人に言いやすいことを言う
 【4】言いにくい人に言いにくいことを言う

このスモールステップを続けることで、言いにくいこともきちんと言えるようになるのです。

自分は思っていることを相手に伝えられているか、次ページのチェックリストで診断してみましょう。