学校では褒められて親からは怒られた作文

高田 お、反骨精神。その点俺は小学校3年のとき、作文で世田谷代表に選ばれたからね。賞状もらったんだよ、「私のお正月」っていう題で。

清水 きっと大人が好むようなことを書いたんでしょうね。(笑)

高田 ちょうど一番上の姉が嫁いだ年で、俺は「泊まりにおいで」って言われて出かけて行ったんだよ。要は、夫婦になってはじめて迎えるお正月。新婚だからか知らないけど、おせちじゃなくて食パンを出されて食べたんだな。それを延々書いたのよ。そしたら「素直に書けてます」って褒められてさ。

清水 昔は素直だったんだ。(笑)

高田 だけど親からは「うちの恥をさらすんじゃない」って怒られた。まあ、そうだよな。おせちやお餅が出ると思ってたら、パンしか出なかった話だから。

清水・中野 あははは。

中野 ほかの子どもに比べて、視点が異彩を放ってたんじゃない。

高田 「素直に書けてる」って言われりゃ、そうだよな。そういうお正月もあるってことだから。書かされることがイヤだった中野さんは、早稲田出たあと、ひとまず就職してるんだよね。

中野 卒業して、出版社を2社受けたの。ひとつは文化出版局。ペーパーテストからはじまって、3回くらい面接されたような気がするんだけど、そこまで進んで最終的に落とされちゃった。

清水 うわー、それはキツい。