「僕のお腹で、泣けばいい」。『婦人公論』誌上での、絶妙な切り口で答える人生相談が評判となり、『純烈 人生相談室』を上梓した『純烈』リーダーの酒井一圭さん。2007年にグループを結成、18年から3年連続で紅白歌合戦に出場。21年7月には明治座の座長公演、秋には『スーパー戦闘 純烈ジャー』が全国上映と、快進撃を続けている。リーダーにしてプロデューサーでもある酒井さんに聞く、「純烈」、家族、そして自分についての話。後編は、妻と4人の子どもたちについてーー(撮影=本社写真部)
どこまでも責めない妻
母に口喧嘩で英才教育を受けてきた僕にとって、奥さんは宇宙人、理解できない異常な人(笑)。だって、怒らないどころか、家にカネも入れられない男に、小言の一つも言わなかった。挑発するようなことも言ってくれないから、僕も逆ギレできない。
義理の母も「この子は昔から欲しいものも欲しいと言わない、嫌な時も嫌だと言わないんですよ」って。でも、「だからお前、早くなんとかせーよ」と僕の耳には聞こえましたね。(笑)
そもそも、結婚する時には、子どもをつくって両親たちになんとか許してもらうという作戦だったのですが、両家が顔合わせした時、うちの母は「申し上げにくいですが、こいつとは結婚しない方がいい、親としてオススメできない」って本気で言っていました。そんな母に対しても、奥さんはケラケラ笑ってくれたんです。
子どもが生まれてからも、僕にはまともな収入がなくて、奥さんがスーパーなど日々の買い物の会計を、義理の両親に頼らざるを得ない時もありました。でもそれを「親が出してくれるからいいよね」と甘える人ではなかった。本当は悔しい、頼りたくないと思っていることは伝わってきました。もし、奥さんも一緒に開き直る人だったら、僕はずっとヒモ人生を送っていたかもしれません。