「年相応かどうか」「似合うかどうか」なんて気にしない
私は映画やドラマの仕事の傍ら、一般の方のパーソナルスタイリングの相談にのったり、講座を開いたりもしています。先日、NHKの『あさイチ』に出演したときも、スタイリングに関する問い合わせをたくさんいただきました。
ファッションの基本は、自分が着たい服を着ることです。「年相応かどうか」「似合うかどうか」なんて他人の目ばかり気にしない。ショップで目にしたとき、初恋の人に出会ったかのように「ステキ!」と心がときめいた服を買えばいいのです。ほかのアイテムとのコーディネートを考えるのは、そのあとのこと。
そもそも、おしゃれは自分の気分を上げるためのものです。心底好きな服を着ていれば、自ずと気分が明るくなるもの。それに、年齢の分だけ自力でアドレナリンが出にくくなっているので、服が持っているパワーに助けてもらうのが、一番手っ取り早いと思います。
マックスマーラのハーフパンツに一目惚れ
かく言う私も、つい先日、マックスマーラでベージュのハーフパンツに一目惚れ。目玉が飛び出るようなお値段でしたが(笑)、そのパンツを穿いた自分を想像したら、たまらなくウキウキしちゃった。この1枚さえあれば、この夏はいい気分で過ごせると考えて、思いきって買いました。
こういう職業ですが、私はいわゆる「モード」と呼ばれる服だけが特別美しいとは思わないのです。街で少し浮いてしまう変わった服を着るより、地味ななかにも一点派手なポイントをつくることを考えるほうが、私にとっては楽しみでした。
よく聞く悩みに「似合う色が知りたい」というものがあります。ただ多くの場合、その色が似合わないのではなく、その色の使い方が悪いだけ。たとえばベージュは、黄色人種の日本人の肌に馴染みにくい。どなたでも同じことです。そんなときは肌との間に白いTシャツをはさんだり、赤や黄色を差し色として使ったりすれば、きれいに着こなすことができます。