昨日できたことが、今日できなくなるのが高齢者。『老~い、どん!』『老いの福袋-あっぱれ!ころばぬ先の知恵88』などの著書で、高齢者のリアルをユーモアをもって綴る樋口恵子さんは、3匹の猫と同居中。樋口さんにとって、心のリハビリ介護士でもある猫との暮らし、高齢になってからのペットとの付き合い方を綴ります。
猫と遊ぶと口角があがる
うちには目下、3匹の猫がいます。ちょっぴり落ち込んでいても、体調が悪くてしんどくても、猫と遊んでいるとすぐに口角があがって笑顔になります。猫の名前を呼ぶときは、まさに「猫なで声」。娘と口喧嘩しているときとは、別人のような声になります。私にとって猫は、心のリハビリ介護士です。
高齢になってから犬や猫を飼いたいという方、けっこういらっしゃるようですね。でも餌代や医療費がかかる。餌やりや排泄物の始末などもそれなりに大変です。
なによりの問題は、自分が病気で倒れでもしたら、そのあと誰が面倒を見るのか。実際、保護犬・保護猫活動をしている団体や動物愛護センターに持ち込まれるペットは、飼えなくなった高齢者からのケースもあるとか。
そのため保護活動をしているNPO団体でも、原則60歳以上の人には譲渡しないところがほとんどです。でも「預かりボランティア」というような形で、高齢者でも保護犬や保護猫と暮らすことができる場合もあるそうです。これは、新しい里親が見つかるまで一定期間預かってお世話をするという方法。