こうして数年かけて夫や息子のモノを手放すことで、ひとりで生きていく覚悟が生まれ、私自身が新たなステージに向かうことができたような気がします。

今は家具も食器も自分の好きなものだけに囲まれ、住み心地は最高です。普段使うのは1階のリビングと仕事部屋、そして2階の寝室のみ。ひとり暮らしに4LDKの家は広すぎるので、2LDKのつもりで快適に暮らしています。

手持ちの食器は、お気に入りだけを棚2段分のみに厳選

お互い自立することで新たな親子関係を築く

息子たちが巣立つタイミングで、キッパリと子どもを生活から切り離しました。「ここから先、息子は息子の人生を歩んでいく」と自分に言い聞かせたのです。

そして、親も子も自立することで、新たな関係性を築くことができると実感しました。今では彼らはそれぞれ家庭を持ち、つかず離れず、気持ちよく過ごせていると思います。

長男に腹を立てたお嫁さんから、「お義母さん、聞いて」とグチの電話がかかってくることも。長男は、根はやさしいけれど論理的に話すので、少し怖いんです(笑)。「わかる、そういうところあるよね」と話を聞いています。もちろん息子たちのことは大好きだけど、彼らの生活に興味はないし(笑)、べったり寄り添うつもりもない。お嫁さんがそれを知っているからか、お互い変に気を使うことがないのです。

子離れの際に、お金の縁も切りました。たとえ息子が窮乏しても援助はしない、と。親子でも家計は別。その考えは息子にも受け継がれ、今では立場が逆転し、私自身が老後の経済的自立を促されています。そこで、家計を一から見直すことにしたのです。

毎月の支出は、食費や光熱費など必要最低限の暮らしを営むための「基礎生活費」と、趣味や交際費などの「ゆとり費」に分け、基礎生活費は遺族年金などの不労所得でまかなえるように改善。具体的には、スマホを大手キャリアから格安SIMに乗り換えるなどして基礎生活費を月1万円ほど減らし、年金内に収まるようにしました。仕事とブログで得た収入は、すべてゆとり費にまわしています。

家計の収支を洗い出したことで、漠然とした老後のお金の不安は軽減され、将来の見通しが立ちました。健康な限り仕事を続け、稼いだお金を旅行や遊びに使って大いに楽しむつもりです。