「舞台を見に来てくれた母と」。柴田さんの楽屋の前で(写真提供:柴田理恵さん)

高齢ひとり暮らしを支えてくれるのは

いまはほぼ毎日、東京から母に電話をしています。私が遠距離介護できるのも、もともと母の近所に住んでいる従弟夫婦のおかげ。また、ケアマネジャーさんやお医者さんなどにサポートしてもらっているからこそできることだと感謝しています。また、ゴミ出しなどもご近所の方に助けられていて、本当にありがたい。地域のつながりに恵まれている面もあると思います。

かつて両親が、地域の新旧住民の交流の場としてバーベキュー大会を提案し、やがて恒例行事になっていました。母は言い出しっぺということで、毎年バーベキュー大会を楽しみにしていた。一昨年はお酒をみんなに注いで回り、自分もさんざん飲んで酔っぱらって。家に帰り、そこで転んで病院送りになったという……(笑)、いやぁ、母らしいです。

残念ながら、高齢期になると、どうしても転倒するリスクが増えてきます。この数年、母も何度か転んで、そのたびに病院に行っています。じつは1ヵ月ほど前にも、腎臓の数値がかんばしくなく入院。退院後、足腰が弱っている母がいきなり家に戻るのはまずかろうと思い、また病院から施設に移ってもらい、足腰の様子を見てからにしました。

その施設には96歳になる母の姉もいるので、「しばらくの間、お姉さんがいるところで過ごして、元気づけてあげてね」と使命を与えました。母はなにかしら役目があると、張り切って元気になります。これは、母が祖父にやってきたことを真似ているだけなんですけどね。