『婦人公論』7月13日号の表紙に登場した風吹ジュンさん

いつだって私の中にあるのは「好き」か「嫌い」かだけ。洋服を買う時も、流行を意識しつつ、結局のところ自分の気持ちを優先しています。ここまで生きてくると、好みの服の傾向は決まってくるし、そういう服はこれさえ着ていれば無難だという安心感を与えてもくれます。

でもそこで「本当にそれでいいの?」「本当はどういう自分でありたいの?」と自問自答してみることが、自分らしく装うことの第一歩なのではないでしょうか。

やっぱりいつもと似たような服を選んでしまった場合でも、意識して何か一つ新しい感覚のアイテムを取り入れるのが私の流儀。こんなの初めてという色や柄のストールを巻くとか、アクセサリーで遊ぶとか。仕事柄、親しいスタイリストさんからいち早く情報を仕入れることができるので、恵まれていますね。

これ欲しいわって思うモノと出会った時は、まるで恋に落ちたようにときめいてしまいます。あれと組み合わせよう、そして誰かとご飯を食べに行こうかな、と夢がパーッと広がるの。それが私の至福の時間。

 

最近のヒットは、ハイテクスニーカー

若い人に人気のセレクトショップへ行って、アレコレと吟味するのも大好き。店員さんに提案されたら、ちょっと奇抜だと思っても、四の五の言わずにまずは試してみると決めています。着てみたら意外と大人っぽいなということもあるし、食わず嫌いでいると損をしますね。

ちなみに最近のヒットは、ハイテクスニーカー。日本では東日本大震災を機に、スニーカー愛好者が増えたのだとか。私はそれよりも少し前から、ワンピースにスニーカーを合わせていました。娘が若い頃からアメリカで暮らしていて、私もたびたび渡米するようになったのですが、あちらではどこへ行くにも歩かなければならないので、ヒールのあるパンプスを履く気になれなくて。

もう一つのきっかけは、登山家になった同級生の影響で60代で登山に目覚め、トレーニングを兼ねて東京でもよく歩くようになったこと。ただ、歩きやすければなんでもいいというわけではないので、ファッション性と実用性を兼ね備えたハイテクスニーカーとの出会いに歓喜したんです。