データをとることで解決法が自然にわかってきた
なぜ、そんな睡眠法に? と不思議に思われるでしょう。実は、僕が自分なりの睡眠法を探り始めたのは、高校生のとき。
一般的には、睡眠は8時間ぐらいとるのがよしとされていますよね。でも、僕にとって8時間は長すぎて、時間がもったいないと感じていました。というのも、8時間寝ても、起きたときにだるくて1日を快適に過ごせないということがあったからです。反対に、1時間でも気持ちよく起きられるときもある。
起きたときに脳が快適な状態で、体の疲れも回復し、しっかり動けるようになるには、どうしたらいいのか。それを知るために、自分の生活データをとり始めました。
まず室内外の気温と湿度をチェックして、わきの下や膝裏、股関節など体のあちこちで体温を測定。さらに天候を確認して、気圧や風向きを調べてノートに書き出す。それを1日6回行います。
そしてそのデータを、「頭がスッキリした状態でパフォーマンスもいい」「頭はスッキリしているけれど、体が動かない」「頭はだるいけれど、体は動く」「頭もだるく、体も動かない」という4群に分け、その分布をグラフにしてみました。
すると気温と湿度がこういう条件のときは体が動く、あるいはだるくて動かないなど、快、不快の原因が浮かび上がってきた。データを詳細にとることで解決法が自然にわかってきたんです。
そしてこのデータは、その後、僕が陸上で世界を目指すときにも役立ってくれることになります。