さらに僕は、睡眠を何回かに分けることで、深い睡眠に入ったときに出るとされる成長ホルモンが、睡眠の回数分だけ分泌され、それがフィジカル強化を助けてくれるはず、という仮説を立てました。
その考えに沿って、短時間睡眠を複数回とることを実践し続けた結果、明らかに回復が早くなり試合にベストの状態で臨める確率が高まったのです。それが功を奏したのか、ほぼ全試合で自己ベストを更新し、3シーズン目には、十種競技で日本選手権と日本インカレに優勝することができました。
多くの選手が10年以上かかることを3年で達成。約3倍のスピードで頂点に辿りつけた計算ですね。
身についた自分流の起床法
高校時代から大学の3年生くらいまで、6年間毎日収集し続けたこれらのデータが、今でも僕の睡眠の基礎となっています。
現在はアスリートを引退しているので、生活スタイルも変わりました。トレーニングは自宅で1時間行うだけで疲労度も少ないので、長い睡眠をとる必要はよりなくなってきたと感じます。
起きるときは、一応目覚ましをセットするのですが、1時間寝たいなら1時間後にスッキリ起床できる方法で入眠します。今日の場合は、起きる時間の30分前にはエアコンが切れて、気温が1~2度高くなるようにタイマーを設定しておく。ちょっと暑くなり、それに反応して覚醒状態に入るという起床法です。
睡眠の前のルーティンは特になく、お風呂は睡眠と同じく、1日に何回でも自由に入ってかまわないと思っています。ただし、喉が渇いて汗が止まらないという状態のまま就寝するのは、お勧めしません。
汗をかいた肌にエアコンの風が直接当たると、体の表面が冷えて体温が下がる。抵抗力が低下すれば、ウイルスに感染して風邪をひいてしまうことがあるので要注意です。