元気なうちに施設やサービスを確認
今は元気だけれど、介護が必要になるかもしれない。どんなサービスがいくらくらいで受けられるかを知りたい。そうした場合には、近隣の「地域包括支援センター」を訪ねてみましょう。
高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で暮らし続けられるように、住まい・医療・介護・生活支援などを包括的に相談する機関として、市区町村が設置する総合窓口です。ただ運営母体は社会福祉法人や医療法人、NPOなどさまざま。直接訪問し、また、ご近所の評判も聞いておきましょう。
2000年に始まった介護保険制度は、利用者やサービスを提供する側の実態に合わせて少しずつ変化を続けています。
介護してくれる家族がいないおひとりさまは、要介護度が上がると、高齢者施設に入るほうが体力的に楽な場合もあります。公的施設と民間施設など、施設の種類や受けられるサービス、また費用もさまざまです。
考えて決めたはずなのに、入所後しばらくして「やっぱり家に帰って、在宅で看護を受けたい」と連絡をくださる方もいらっしゃいます。元気なうちから資料を集めたり実際に施設を見学するなどして本腰を入れて検討しておくと、いざというときに後悔しないのでは。
高齢者施設は、つねに近くに介護士などがいる安心感、食事の用意などの家事からの解放、といったメリットがあります。ただし生活時間など施設が決めたルールがある、友人や家族と自由に会えない、外出にも制限があるなどの窮屈さはデメリットといえるでしょう。また在宅に比べて、費用がかかる場合もあります。
「病気や障害で寝たきりになったり、認知症になったりしたら自宅では暮らせない」と思っているおひとりさまが多いようですが、医療保険や介護保険をフルに使い、ヘルパーや訪問看護を入れれば、最後まで自宅で過ごすことは可能です。
ただ地域によっては訪問看護ステーションや在宅療養支援診療所が少なく、在宅看護・介護のサービスが受けにくい状況もあります。お住まいの地域ではどのくらい体制が整っているか、事前に調べておくことは重要です。