イラスト:小林マキ
年齢とともに、お腹まわりにつきやすくなる脂肪。増やさないためには、糖質を摂りすぎないことが大切です。とはいえ、糖質制限を続けるのは難しいもの。上手に毎日の生活に取り入れるコツを教えてもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》)

【チェックリスト】
心当たりがあったら、糖質の摂りすぎの可能性大!

ご飯や麺類などの炭水化物が好き
お腹は空いていないのについ間食をしてしまう
缶コーヒーやジュース、炭酸飲料などをよく飲む
睡眠時間は確保しているのに日中に眠気に襲われる
午後はとくにだるく、集中力がなくなる
空腹でもないのにイライラする
太っている、健康診断でメタボ予備軍といわれた
両親のどちらかが糖尿病

 

インスリンの分泌が増えると脂肪が蓄えられやすくなる

「もともと女性は男性に比べて内臓脂肪がつきにくいのですが、それでも女性ホルモンが減少する更年期を過ぎると溜まりやすくなります。また、加齢に伴って筋肉量が減ることで基礎代謝も落ちるため、若い頃と同じ食事を続けていると、脂肪は溜まる一方」と話すのは、いちかわクリニック院長の市川壮一郎先生です。さらに、脂肪が溜まるメカニズムをこう説明。

「炭水化物などの糖質は、消化吸収されブドウ糖に分解され血液に入り、エネルギーとして利用されます。ブドウ糖はグリコーゲンに変えられ、備蓄用のエネルギーとして肝臓や筋肉に貯蔵。ところが、肝臓や筋肉の備蓄量には限りがあるため、残ったブドウ糖は中性脂肪に作り替えられ、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます」(市川先生。以下同)

ブドウ糖をエネルギーとして活用したり、グリコーゲンに変えたり、脂肪として蓄えたりする働きを持つのが、インスリンというホルモンです。

「血液中のブドウ糖が増えると、血糖値が上昇。それを抑えるためにインスリンが分泌されます。血糖値が急激に上がるほど、それを下げようとしてインスリンも過剰に分泌されてしまうのです。そもそも活動量の少ない現代人は、ブドウ糖をエネルギーとして消費する量が少ないうえに、グリコーゲンとしての備蓄量もいっぱいという状態。それでも糖質を摂り続けていると、どんどん脂肪として蓄えられていくことになります」

だからこそ、なるべく糖質を摂りすぎない食生活を心がけることがポイントになる、と市川先生はいいます。