「ライブって、こんなに、いいのか」
わたしは、自信のなさについてグダグダと誰かに聞いてほしかったが、
ここにいる人は皆忙しい。「飛石連休」の藤井さんだって、
「流れ星☆」のちゅうえいさんだって、
出番前で、さすがにわたしの話なんて聞いてる暇などないだろう。
こんな時は、茨木のりこさんの「自分の感受性くらい自分で守れ ばかものよ」
という詩を思い出す。
今わたしが一番欲しいもの、それは「余裕」だ。
そんな事が頭でぐるぐる回っている中、自分の番がきて、
もう仕方がないからステージに出た。出たら驚いた。
お客さん達の熱気が一瞬で伝わってきて、
笑いが起きて、それはこちらまで伝染して
すごく楽しかったのだ。
お客さんに笑ってもらえるのがこんなに嬉しいのか。
笑いをとりにいく、いう目的で舞台に立つ特有の興奮と緊張感があった。
ライブって、こんなに、いいのか。
ネタを終えて袖に戻ってきて心から思った。
「またやりたい!」
願いは叶い、おかげさまで1位に選んでいただいた。