トウガラシは虫から実を守り鳥に実を捧げる
トウガラシは食べると辛い植物です。なぜ辛いかといえば、昆虫から実を守るため。かじられると表面が傷ついてそこから病原菌が入り、それが実の中にまで到達すると大切なタネが死んでしまうからです。この辛み成分が「カプサイシン」。
昆虫が多い地域のトウガラシはカプサイシンの量が多く、少ないとほとんど含まれないという研究結果があります。「昆虫から実を守るために辛い」ということを証明していますね。
タネを守ることも大切ですが、生き残るためには、タネは誰かに運んでもらわないと意味がありません。「タデ食う虫も好き好き」と言いますが、自然界とはよくできたもので、辛みが平気な動物もいます。それが、鳥。
トウガラシは熟すと赤くなり、鳥にとっても魅惑的な姿に変身。鳥はおいしく食し、遠くにタネを運んでくれます。
*「タデ食う虫も好き好き」の「タデ」は辛みのある葉。辛い葉を好んで食べる虫もいることから、好みはそれぞれであるという意。
トウガラシ
【学名】Capsicum annuum
【原産地】中南米
【特徴】辛み成分のカプサイシンをもち、昆虫から身を守っている。
【学名】Capsicum annuum
【原産地】中南米
【特徴】辛み成分のカプサイシンをもち、昆虫から身を守っている。
※本稿は、『すごい植物最強図鑑』(田中修監修ほか)の一部を再編集したものです。