親の「常識」はすべて捨てた方がいい

ニートになって、さらに「引きこもり」になってしまうと、年を経るごとに社会から遠くなり、「稼ぐ」方法もわからなくなって親への依存度はますます強まっていきます。

ちょっと古いデータですが、厚生労働省によると、2013年時点で親に依存している40代、50代の無職独身者のいるご家庭は約57万世帯あると推計されていて、今後はますます増えていくのではないかと言われています。

みなさんのお子さんが50代になる頃には、みなさんは70代、80代の年金暮らしでしょう。その時に自分の子供が親の年金を頼りに生きているような状況を想像してみてください。子供の将来を考えると、死んでも死にきれないでしょう。

そうならないためには、今から「稼ぐ力」を持った子供に育てなくてはなりません。そこで大切なのは、子供を変える前に、親が意識を変えること。

みなさんはご両親から、いい大学に入り有名企業に入り、真面目に働けば幸せな人生が送れると教えられ、一所懸命に勉強し、一所懸命に働いてきたのではないでしょうか。

けれど、時代はもう変わっています。有名企業への就職が豊かな人生へのパスポートとはならなくなっています。

「有名企業に入れれば安泰」という時代は過ぎて(写真提供:写真AC)

たとえば、「銀行」。

昔は、高給で仕事は9時から5時までで、社会的なステイタスも高かった。けれど今は、勤務が過酷なだけでなく、なかなか出世できず、しかも多くの銀行員が50歳になると割増退職金をもらって銀行を辞めるか、子会社に片道切符で出向するか、給料が半分近くに下がっても居続けるかの選択を迫られます。

総務省の「平成29年就業構造基本調査」を見ると、せっかく銀行や保険会社に入社しても3年目に約3割が離職し、5年目には同期が半分しか残らない企業も。この中には、良い大学を出て銀行や保険会社に入ったのに、集団に馴染めず心が折れて辞めていった人も少なからずいます。