入学式でお母さんとのツーショット

鳥がぶつかるほど、窓を磨く

予科生の1日は朝の掃除から始まります。

命をかけて全力で行う私のお掃除場所は、
「バレエ教室右窓分担」でした。

バレエ教室を四分割して、それぞれの窓を4人で磨き上げていきます。

一般家庭の大掃除以上に細かく丁寧に、それを毎日です。

結果、窓ガラスを磨き過ぎたせいで、鳥がぶつかってくることもしばしば。

そんなある日、頑張ってしゃかりきに窓ガラスを拭いておりましたら

ゴトン………

あらやだ 鳥でもぶつかったのかしら?

いいえ。窓の鍵がもげたのです!

一部分がかけたとかではなく、鍵が丸ごとごっそりと。

え?  は???

これはもはや事件です。

予科生にとって、いつもと違う何かが起こるなんてことはあってはいけません。

器物破損などもってのほか!

こんな恐ろしい現実が起こるなんて、死んだ方がマシ! って思うくらいのパニックです。

どんだけ力が強いんだ。
怪力か!?

決められた行動の中で、異変が起きたりした場合は、
本科生に報告をするのが決まりです。

これは隠せない、ごまかせない…。
とにかく謝るしかないと、腹を決めて報告へ…。

すると本科生は
「あー?あそこの鍵はぐらぐらしてたもんね。古いんだよねー。直してもらおうね。
それより怪我は無かった?大丈夫?」と
なんとまぁ、女神さまに見えてしまうような神対応。

史上最高に怒鳴られるつもりで覚悟していたのに、拍子抜けです。
人は怒られるより、怒られないほうがぐっと心に刺さり、
しっかり反省するのかもしれないと学んだこしのでありました。