「いつもありがとう」と言ってくれたら
たまには感謝されたい、ねぎらう態度があればまだ我慢できるというのなら、冗談めかして催促してみてはいかがですか。たとえば旅行のチケットを渡すときに「はい、ありがとうは?」とか、「この店を予約するの大変だったんだかから、食後のお茶はおごってよね」と言ってみる。
それで彼女が笑って「いつもありがとう。頼ってばかりでごめんね」と言ってくれたら、あなたの気持ちも少しは晴れるでしょうか。今さら感謝されても遅いと思うなら、彼女の態度にかなり不満が溜まっているといえそうです。
また感謝を求めたら彼女が露骨に嫌な顔をしたり、そもそも「冗談でもそんなことは言えない」という間柄なら、長年の友人とはいえ今後のつきあい方を変えてみてもいいのでは。年齢を重ねるほど、彼女の甘え上手はエスカレートするかもしれないからです。
【誌上相談室】60歳からの友情、距離感に悩んだら
〈1〉段取りは私任せで、いつも甘えてくる友人
〈2〉乳がんを患った私に対する友人の気遣いが重い
〈3〉コロナ禍で感じた価値観の違いや温度差
〈4〉友を亡くした喪失感とどう向き合えば……
〈5〉親が介護施設に入ることを暗に非難された
水島広子
精神科医
1968年東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学大学院修了。医学博士。日本における対人関係療法の第一人者で、「水島広子こころの健康クリニック」院長。『私たちはなぜ「女」を面倒に思うのか──あるある女性の悩み』ほか著書多数
久田恵
作家
1947年北海道生まれ。上智大学中退後、女性誌ライターなどを経て、『フィリッピーナを愛した男たち』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。80歳以上の高齢者や介護現場の取材を続ける。著書に『主婦悦子さんの予期せぬ日々』『ここが終の住処かもね』など