増え続ける介護負担と追いついていない社会
今これだけ問題になっているのは、介護を必要とする高齢者が急増している一方で、介護従事者は減少し、介護に伴う費用負担が増え続けているからです。
介護人材は、2025年末で245万人必要とされています。2019年時点で185万人しかおらず、60万人が足りていない状況です。一方で介護を必要とする高齢者の数は、この10年で約1・4倍にもなりました(2005年・2015年の要介護・要支援認定者数の比較で計算)。
公的介護サービスで十分でないのであれば、自分か家族が両親の介護と向き合う必要があります。2020年に誕生した菅政権は、「自助・共助・公助」をあるべき社会像に掲げています。
日本の高齢化や人口の減少を考えれば、「親の介護はまず自分たちの手でなんとかしなさいよ」と言っているようなもの。国は介護離職者をゼロにすることを目標に掲げていますが、現在の状況を考えれば空しいスローガンです。