それでも介護離職を絶対にしてはいけないワケ
介護離職の一番の問題点は、継続収入が絶たれてしまうこと。しかも50歳は、子どもがいる家庭であれば、大学の進学など養育費が最もかかる時期でもあります。
この時に、夫婦のうち一人だけの収入で乗り切っていけるのでしょうか。親の年金や資産が十分であればやっていけるかもしれませんが、そもそも両親の資産が十分ではないから介護離職をしているわけです。
しかも、介護はいつまで続くかわかりません。一般的な介護期間は約5年といわれていますが、人生100年時代の現在では、介護期間は延び続けることも十分に考えられます。収入が絶たれた状態が10数年も続くと、家族共倒れの危険性すらあります。
また、一度離職してしまうと、再就職が極めて難しいことも問題を複雑にしています。例えば50歳で介護離職をして10年間、両親の生活のサポートに従事して、いざ再就職しようと思っても、あなたが希望する仕事は残念ながらかなり限られるでしょう。
50歳を過ぎた後の復職・再就職は、例えるなら東大に入るより難しいかもしれません。
仕事を選ばなければ仕事ゼロ・収入ゼロになるわけではありません。しかし、年収600万円から年収200万円になって、生活ができるのでしょうか。育ち盛りの中学か高校か大学の子どもがいる場合はかなり辛く、年収200万~300万円で教育費を捻出できるのでしょうか。
さらに、50歳から仕事を辞めたとなると厚生年金の積み立てがストップするため、65歳からもらえる予定の年金の受給額が減ってしまうのです。これでは自分自身の老後の生活も危うくしてしまいます。