4. がんで障害が残った
がんによって障害が残り、日常生活や仕事に支障が生じた場合は「障害年金」を受給できる可能性があります。国民年金の「障害基礎年金」と、厚生年金の「障害厚生年金」があり、後者のほうが適用となる障害の範囲が広く、受給金額も高いです。
がんの初診日に被保険者であり、初診日から1年6ヵ月が経過した日、もしくは症状が固定した日の状態が障害に該当しているなどの要件があります。永久人工肛門や人工咽頭、人工関節などをつけたケースでは認定されやすいですが、なかなか認定のハードルは高いようです。
同じく障害が残った場合は「身体障害者手帳」の申請も行うとよいでしょう。認定されれば、福祉機器の支給、医療費の助成、公共交通機関の運賃の割引など公的サービスを利用できます。
5. 治療のため生活が苦しい
長期の治療により生活が困窮するケースもあります。当座の生活費が足りなくなったときに助かるのが「生活福祉資金貸付制度」。必要に応じた資金を無利子で貸してくれる制度で、対象となるのは住民税非課税の低所得者世帯、失業者世帯、身体障害者手帳を持っている障害者世帯など。
貸付資金の種類はさまざまですが、がん患者が利用できるのは「療養資金」。貸付限度額は170万円以内。療養期間が1年超~1年半以下の場合は230万円まで借りられます。
6. 医療費を税金で取り戻したい
1年間の医療費が10万円を超えれば「医療費控除」を受けられます。1年間に支払った医療費の合計から、高額療養費や民間保険から支給される額を差し引いた金額が10万円(または所得の5%のどちらか少ないほう)を超えると、超過分の所得税率に合わせた金額が戻ってくるのです。医療費控除では、保険適用外の自由診療や先進医療も対象。
通院時の交通費や、ドラッグストアで購入した医薬品や漢方薬などの費用も、治療目的なら認められます。医療費控除を受けるには確定申告が必要です。