病気になったときこそ情報が大切

こうした違いを把握したうえで民間の保険を検討してみましょう。とはいえ、すでに何らかの保険に加入しているという人が多いはず。まずはその保障内容の点検をしてみましょう。

これではがんになったときに頼りにならないと感じたら、がん特約を上乗せするなど足りないものを補うのが合理的。新しく保険に加入する場合は、最近発売されたがん保険などの中から選ぶようにするのも一手です。最近のがん医療に対応できるよう考慮されています。

いずれにしても、必要な保障は個々人で異なります。保険を検討するときは、保険商品だけでなく自分の健康リスクに対する姿勢も重要です。たとえば食生活に気を使い、がん検診を定期的に受けている人なら、たとえがんになっても早期発見の可能性が高いのではないでしょうか。ならば保険も最低限の保障で十分かもしれない。一方、生活が不規則で、たばこを吸い、メタボ体形という人なら、手厚い保障の保険に入るほうが安心でしょう。

また、ご家庭の貯蓄額にもよります。いざというときの医療費として200万～300万円の貯金があれば、がん保険に入らなくてもやりくりできると思います。

今から手厚い保障をつけようとすれば払う保険料も高くなります。それなら保険はほどほどの保障にし、毎月１万円を医療用貯金として積み立てて健康に留意するというのも建設的な方法だと思います。

最後にみなさんにお伝えしたいのは、病気になったときこそ情報が大切だということです。がんを宣告されると、ショックから内に籠もって情報をシャットアウトする方がいますが、それでは社会制度の恩恵は受けられなくなります。

自分や家族にとって最適で最良の治療を受けるため、そして病気が治った後も続く生活のため、リアルで正しい情報を持つことが必要不可欠です。