跡取り夫妻の父への接し方は、虐待レベルに
その頃、跡取り夫妻の父への接し方は、虐待レベルに達していた。義妹は父を嫌い、話しかけられても返事すらしない。まさに「ネグレクト」としかいいようのない状態。義妹は嫁いでからずっと父にいじめられていたと思っていて、自分の態度は正当だと信じている。
父は父で、逆らうとひどい目にあうことがわかっていたし、生まれ育った場所で暮らし続けたいために、おとなしく彼らの言いなりになるしかなかったのだ。
この騒動の5年ほど前に母に先立たれ、徐々に弱っていた父のことが心配だった私は跡取りに、せめて事務的なことは相談してほしいということ、そして第三者を交えて冷静に話し合いをしたいということを何回も申し入れた。しかし返ってきたのは父、弟、私に対する暴言のみ。
せめて愛知方面に出かける際は父の顔を見たいと、帰省する予定を入れたときのこと。跡取りから、「歓迎できんから、うちには来ないように」と電話がかかってきた。自分の実家なのに帰ることも許されないなんて……。しばらくは涙が止まらなかった。どうやら歓迎できない理由は、義妹が「好美さんが来ると、お父さんの態度が大きくなる」と訴えたことにあったらしい。