Q4. 発症に関わる12のリスク対策ほかに、注目されている予防策はありますか

A4.嗅覚を活性化してみてください

認知症の初期症状として最も多い「近時記憶」障害が起こる前に、実は「匂いがわからなくなる」ことが、私の長年の研究でわかってきました。アルツハイマー型認知症は、アミロイドβタンパクが溜まって脳の神経が変性することで進行しますが、このタンパク質は最初に嗅神経に溜まることがわかったのです。

そこで着目したのが、アロマセラピーでした。嗅神経を活性化すると、最初に起きる神経変性を抑制することができるので、認知症の発症を抑えたり進行をゆるやかにする効果が期待できます。私の研究では、日中にローズマリーカンファーとレモンを配合したもの、夜は真正ラベンダーとスイートオレンジを配合した香りを嗅ぐことが、最も認知症予防に効果がある、との結果を得ています。

化学合成のものではない天然成分のアロマオイルを、正しい配合で使っていただきたいので、「浦上式アロマオイル」として商品化しました。特に夜用のアロマは睡眠の質も上げる効果があります。アミロイドβタンパクは睡眠時に除去されるため、良質な睡眠も認知症予防に効果的です。